961026
男体山
車で前日深夜に東京を出発して4時半くらいに二荒山神社付近に到着。 5時前に出発する。まだ外は暗い。 登山口を探していたら同じように探している人たちがいた。 立て看板を頼りに森に入った。けもの道らしき感触を頼りにマグライトで照らしながら進むと登山道らしき道に出た。
目が馴れたのかかすかに明るくなってきたのかぼんやりと見えるようになった のでライトを消して進む。気温は低いが登っていると汗をかくほどでパーカー を脱いで腕まくりをした。急に鹿の鳴き声が響いて思わず立ち止まった。まだ 周囲は暗い。後ろから登ってくる人らしき2つのライトが時折りサーチライト のように林の中からこちらを照らしている。
岩や木の根でごつごつした急坂を30分ほど登ったところで暗い森を抜けて林 道に出た。ここからは林道を歩くようだ。あたりの景色がわかるくらいに明る くなってきている。東の空が赤く染まり始める。6時過ぎ、林道の途中で雲間 から朝日が見えた。曲がりくねって登っていく林道の途中から中禅寺湖が見え たりするのが楽しい。しばらく写真を撮ったりしていたがまだ誰も下から登っ てこない。
林道の終点近くに石の鳥居がありそこが4合目だった。工事中の作業道らしき 道から眼下に展望がきいて中禅寺湖がよく見える。ちょうど朝日が差していて 紅葉の山に影をつくっていた。
ここで小休止することにして三脚を立て写真を何枚か撮っていると間もなく太 陽は雲に隠れてしまった。持っていたパンで朝食にする。食べている間に登っ てきた人たちが何人も通過していった。皆この景色の良さに足を止めて記念撮 影しているようだ。
人の流れが切れたところで鳥居をくぐって登り始める。あまり寝てないせいか 気持ちがなかなか前に行かない。疲労している時などは足がついていかなくて 前のめりになったりするのだがその逆で後戻りしてしまうのだ。珍しく誰も追 い抜くこともなくゆっくりと登った。このあたりの樹はもうすっかり葉を落し ている。途中あまり眠いので写真を撮るついでに休んでいるあいだに1人に追 い抜かれた。そのまま石に腰かけてうとうとしていたが10分ほどで寒くて目 が醒めた。
7合目の小屋を過ぎたあたりで降りてくる人とすれ違った。山頂は雪が降っ ているそうだ。だんだん寒くなってきたのでかっぱを着て登る。岩のあちこち に矢印が書いてあるので迷う心配はなさそうだ。8合目、9合目のあたりから 這松の道になり展望が効かなくなった。
それにしても風が強い。山頂付近の岩だらけの道からは中禅寺湖がよく見 えるが風の通り道になっているようで強風に飛ばされそうだ。ジェット気流と はこのような状態かもしれない。風の弱くなるのを待って登る。
山頂には社と避難小屋があった。広い山頂の北西端の岩の上が本当の山頂 のようだ。既に先客がいた。雲は遥か上空を厚く覆っている。南側を見ると一 直線に雲が切れて遠くの街がきらきら輝いていた。西側は奥白根山の山頂がよ く見える。手前の湯の湖や裏日光から尾瀬にかけてのあたりもよく見えた。
強風を避けるため岩の風下側に隠れるように座ってお湯を沸かす。風が弱 くなってきたと思うと西から雲がやって来た。奥白根の山頂は雲に隠れてしまっ た。寒さの割には早くお湯が沸いたのでカップラーメンを食べる。目の前に黒 に白の斑の鳥がやってきた(あとで調べたらホシガラスだった)。こちらをじっ と見ている。あまり人を恐がらないようでこちらに寄ってきて近くの岩に止まっ たりしていた。
食べ終って寒くなってきたので山頂に荷物を置いて来た道を少し下った。 中禅寺湖は山頂からは見えなかったので、写真を撮るには戻らなければならない。
ガレ場の尾根の急斜面は風が強い。何とか撮り終わって戻る途中、飛ばされないよう突風の合間を縫って歩かなければならなかった。
頂上に戻るともう奥白根方面は雲にかくれていた。 神社まで下りて志津小屋へのルートに進む。 ガレ場の急斜面はシャクナゲなどの樹林帯で見通しは悪かった。 しばらく降りると開けた場所に出た。治山工事でコンクリートで固めた部分が山頂付近まで続いている。下の方はカラマツ林が黄金色の紅葉まっただ中であった。
ひとやすみしてさらに下りると笹野原に出た。 振り返ると下りてきた男体山の頂上がはるか上に見える。 なだらかな笹原を下っていくと志津小屋に着いた。ここからは長い林道歩きだ。 マウンテンバイクの若者が何人かいて賑やかだ。
林道を西に進む。男体山がよく見える。雲はかかっていない。 落葉に覆われた道を飽きるほどあるいた頃、道の右側が崖になっている場所に出た。 下は一面のカラマツ林だ。紅葉で金色に輝いている。 写真を撮ろうと思ったが木が邪魔で良い場所が見つからなかった。 ちょうど通りかかったハイカーの車に光徳入口まで乗せてもらった。
光徳牧場から切込湖、刈込湖を回って戦場が原経由で龍頭の滝まで歩く計画だったが、日光は思ったよりずっと広い。 待ち合わせの時間までは3時間ちょっと。 とりあえず切込湖、刈込湖へ向かうことにした。湯元からバスに乗れば何とかなりそうだ。
光徳牧場でアイスクリームを買う。濃くておいしかった。 ここからハイキングコースになる。階段上に整備された坂を登ると山王峠に出た。 ベンチでひとやすみする。予定より時間をくっているようだ。急がなければ。 クマザサの道を下ると涸沼に出た。湿原というよりは草原の向うに大きな山が見える。 太郎山かと思ったがその手前の山のようだ。
ここからまた登りの樹林帯で、視界が開けると切込湖に着いていた。 木々の間から見える湖は、裏磐梯の五色沼のようだ(あんなにきれいじゃないけど)。 刈込湖を過ぎるとまた登りになった。かなりきつい。霧も出てきたようだ。
登り切ったところが小峠だ。ここから林道をだらだら下り、階段を下りると湯元だった。バスの時間を調べる。次のバスに乗ると龍頭の滝には5時ちょっと過ぎには着けそうだ。何とかなった。
ところが、湯元始発のバスは発車時間を過ぎても来ない。 道路が渋滞しているようで、バスが来たのは15分過ぎだった。 来たバスも時間調整でなかなか発車しない。結局1本後のバスと同じ時間にようやく発車した。動き出したバスはすぐに渋滞にはまり、ぜんぜん動かない。やっと赤沼茶屋に着いたのでここで降りて歩くことにした。
もう6時を過ぎて真っ暗だ。バスを降りて歩いていると車が流れ出して、乗ってきたバスに追い越された。事故渋滞か何かだったのかもしれない。滝上から暗い階段を降りて龍頭の滝に着いた。