970615
13:05 湯河原駅に着く。低山なので遅いスタートだ。 みんな帰る頃を見計らって登ると、静かに山を歩くことができる。
駅から役場経由で東海道本線、続いて新幹線を潜り五郎神社へ着いた。 幕山は6年前の秋に1度登っている。その時は駅から五郎神社まではバスを使った。 神社から何となく見覚えのある道になってほっとする。 南郷山への道を右に見送り、浄水場まで舗装道を登る。 途中、道標が無いのでちょっと不安だった。
浄水場のすぐそばに幕山公園が出来ていた。駐車場がありここまで車で登れる。 すっかり山の中なのに結構賑わっていた。カラオケを持ち込んで騒いでるのもいる。 ベンチに座ってカメラを出す。標準ズームを忘れてきたのに気づいた。 15mm と 135mm しか無いのはかなりショックだ。 まあ何とかなるだろうと気を取り直して出発。
公園から登山道を探す。正面の岩にクライマーたちが取り付いているのが見える。 散策路を行ったり来たりしていると登山道らしき道が見つかった。 階段の砂利道を登る。道の脇にはドクダミやアザミに似た花が咲いている。 気温は20°Cを切るくらいだが湿気があるのでやたら汗が出る。 振り返ると公園ははるか眼下だった。 向うに海が見えるはずだが今は霞んでいてよくわからない。
14:20 半分ほど登ったところに休憩舎があった。 昼食は山頂でと考えていたが、時間も時間なのでここで食べることにする。 ここまで登ると山は静かで、鳥の声がするばかりだ。
食べ終ってすぐ出発。相変わらずジグザグに登る。 登りは辛いが見晴らしが良いので休みながら登ればあまり苦にはならない。 蝶がツツジの花のあたりをひらひら飛んでいた。
14:40 山頂に到着。誰もいない。まるい草原は相変わらずだったのでほっとした。 霞んでいたが真鶴半島が見えた。下界の喧騒はここまでは届かない。 草の上にレインコートを敷いて横になる。上を見ると雲以外は見えない。白い夢が見れそうだ。
曇り空を見ていると、真っ白だった空にも雲の濃淡があるのがわかるようになってくる。 ゆっくりと形を変えてゆく雲を見ながら、こんなにゆっくり山登りするのも久しぶりだなと考えていた。 霧ヶ峰のスキー上の上に寝転んで雲を眺めたのはもう10年近く前になるかもしれない。
30分ほど山頂にいただろうか。ぽつりと雨が降ってきたようだ。 気のせいかもしれないがそろそろ下りることにした。 下りは自鑑水経由で南郷山を目指すつもりだった。
山頂周遊コースで、探していたタツナミソウをやっと見つけた。 草の影になって一輪だけひっそりと咲いている。仲間を探したが見つからなかった。
周遊コースから南郷山方面に下る。見晴らしの良い丘の上から、左側の斜面に草原が広がっていた。 長い階段を降りたところで分岐点に出た。右に南郷山、左に大石ガ原と書いてある。 自鑑水の表示が無いので、しばらく考えて左に行くことにした。
道は杉林の中に入り、林を抜けるとやっと1人通れるくらいの道になった。 両側は笹など背の高い草が茂ってトンネルのようだ。 しっかり踏み固められた道なので不安はなかった。
視界が開けて林道に出た。もう大石ガ原まで来てしまったようだ。 南郷山とは全く違う方向だが、雨も降ってきたことだし湯河原駅を目指すことにする。 林道を下り、橋を越えたところに湧き水があった。 竹を斜めに切った先からぽたりぽたりと雫が落ちている。 水筒のキャップにためて飲んでみたが、 ほんのちょっとだったので味はわからなかった。
林道は幕山公園に続いていた。来た道を戻り、湯河原駅に着いたのは18時だった。