上高地は小雨だったので傘をさしながら歩いた。明神館を過ぎるあたりで殆ど雨は気にならなくなった。 梓川の向こうを見ると、雲の切れ間から穂高の山々が姿を現した。
横尾から一気に1000m登る。2500m付近から上は雪が積もっていた。21日に降ったらしい。 稜線まで出ると見通しが良いためか雪は少なくなった。行く手は霞んでいる。
尾根伝いに進むと 2664ピークに着いた。槍/穂高方面は雲の中だ。ここから 200m の急降下になる。
同じくらい登りかえして次のピークに着いた。斜面を巻くように登ったのでそれほどきつくはない。
しばらく進むと岩ばかりの斜面になった。これを登り切ると山頂かと思っていたら、山頂はピークのまた向こうだった。
雪はだんだん深くなり、岩に書いてある目印も埋まってしまってよくわからない。 まっすぐ登っているとコースを たったひとつついている足跡を頼りに、急斜面を、這松の上を登った。 だんだん霧が晴れて来て人の声が聞こえるようになった。山頂はもうすぐだ。
急な稜線を登り切ると山頂だった。登山者達が常念小屋へ帰って行くと、山頂にたった一人取り残されてしまった。強い風が吹いていた。