971011

朝5時、目を覚ます。寒くて動けない。テントの中の気温は4℃だった。少しづつ体を動かしてシュラフから這い出る。天気は良さそうだ。

テントの外に置いたザックのカバーは霜でバリバリになっていた。空が紅く染まっていく。日の出の時間を過ぎても、山に囲まれた尾瀬ではまだ太陽は見えない。


EOS-1,EF75-300/4-5.6IS,F4.5AE,RVP

荷物を背負って出発。木道を歩いて写真を撮ろうと思った。 まだ日の当たらない湿原には朝霧がかかっている。 早起きの人が散歩したり写真を撮ったりしていたが、昼の混雑に比べるとずいぶんましだ。


EOS-1,EF75-300/4-5.6IS,F5.6AE(-1/3),RVP

見晴から竜宮方面に歩く。湿原の茅やナナカマドについた霜は、まだ溶けていない。前方には雲ひとつ無い至仏山が見える。 木道の途中のベンチには中版カメラのおじさんグループと、朝の散歩らしい団体が日の出を待っていた。 振り返ると燧岳の右肩から太陽がまさに昇ろうとしている。 刺すような光が見えると歓声が上がった。


EOS-1,EF50/1.8,F8AE,RVP

散歩の団体は山の鼻方面へ帰って行った。 そのまま燧岳に登るつもりだったが、通り道なのでキャンプに戻って朝食にした。 朝食後に改めて出発。湿原を後に、尾瀬沼方面に向かう。 途中で道を間違えたと勘違いして湿原まで戻り、温泉小屋方面に行ってしまった。 こちらは帰りに通る予定のコースだった。分岐点で気づいてまた戻る。 結局登山口に着いたのは8時頃になった。

それが良かったのかもしれない。登り始めて殆んど人に会わずに済んだ。 途中で雨が降って来た。山の天気は変わりやすい。 着けたばかりのスパッツを縫いでレインウェアを着た。 ザックカバーはテントに置き忘れてきてしまった。 いくつかの団体を追い抜いて登っていくと温泉小屋分岐に着いた。 風が強く、ガスって展望は無い。

岩の上に荷物を置いて、濡れないようにビニール袋をかぶせる。 カメラと水筒を持って、頂上には空身で行くことにした。 ガレた斜面をひと登りすると柴安ぐらに着いた。頂上は多くの人でにぎわっていたが、雲で展望は効かない。 すぐに俎ぐら目指して出発する。 岩場を慎重に下る。下り切ったところに湿地帯の広場があった。 そこからひと登りで俎ぐらだ。ハイマツの中の道は狭く、下りて来る人と譲り合って進む。