雨飾山


位置
北緯36°54' 東経137°58'
標高
1963m
地図
富山/小滝/雨飾山
交通
JR南小谷からバスで小谷温泉
ガイド
頂上に「猫の耳」と呼ばれる双耳峰をもつ妙高山群の死火山
近年に注目された山で、巨大な岩壁は登攀者を魅了する。長野県と新潟県の県境
区分
日本百名山

971101

小谷温泉

連休で急行アルプスは混んでいたが、甲府、松本を過ぎるとだいぶ人が少なくなった。 5:54 終点の南小谷に着く。最後尾の車両はぼく1人になっていた。 隣の車両には何人か乗っていたが降りる様子はない。時間潰しで折り返して行くのだろう。 駅を出ると小雨が降っていた。山にはうっすら雪が積もっている。 バス停に荷物を置いて駅まで戻る。 着替えなどかさばるものは駅に置いていくことにした。 コインロッカーも無い駅なのでベンチにそのまま置きっぱなしだ。 待合室の自動販売機でカップラーメンを買って食べた。 6:40 やっと来たバスで出発。2人しか乗ってない。40分弱で終点の小谷温泉に着いた。

露天風呂と名水

外は寒い。紅葉も殆んど終りに近いようだ。そのまま車道を進むと雨飾荘に着いた。 温泉の湯気が立ち込めている。山荘の近くに露天風呂があった。車が止まっていて早朝から入っている人がいるようだ。 少し行ったところに栃の木亭という食堂があり、道路脇に「栃の木亭名水」と書かれた湧き水があった。 露天風呂といい、名水といい、贅沢な山だ。 笹が峰から妙高へ至る道は災害で通行止めだった。95年の台風以来だろう。 大糸線を含めこのあたりの被害はまだ復旧していない。 鎌沼へ至る道から別れキャンプ場の方へ進む。バス停から1時間ほどで登山口についた。


EOS IX E,50/2.8,F8AE[+1EV](1/60),RX,PL

雪中行軍

登山口のキャンプ場には何台か地元の車が止まっていた。 休憩舎に入りレインウェアの下を履く。出発しかけたが、雪が深そうなのでスパッツも付けることにした。

8:00 ちょうど男女2人組の後に出発。すぐに追い抜いて、雪の上にたった1つついた足跡を辿って進む。 木道に雪が被っていて歩きにくい。何度か踏み外して川に落ちかけた。

道程


EOS IX E,50/2.8,F9.5AE[+1/2EV](1/90),RX,PL

山道にさしかかるところに道標があった。ところが足跡はコースから離れて沢の方へ向かっている。 しばらく考えたがコース通り進むことにした。釣り師の足跡かもしれない(釣り禁止の立て札はあったけど)。 新雪の坂道を登る。かなり急で登りづらい。高村光太郎の心境だ。 ぼくの後ろに道は出来る。どんどん高度をかせいで登っていく。 雪道、特に新雪を登るときは体重で足が沈むだけ能率が悪い。 普通の倍は体力を消耗してるんじゃないかと思う。 雪が降って間もないようでまだ地面は固まってなかった。 滑べって歩きにくいので軽アイゼンを付ける。 コースタイムで登ってぎりぎりの予定だったが、これではバスに間に合わなくなりそうだ。

9:40 一度登った道は、100m以上下って荒菅沢に着いた。 沢を渡るようだがコースが不明瞭だ。 地図を頼りに、雪に半分隠れている岩の赤ペンキを発見できた。 とにかく先に進む。沢を渡ると下った分を一気に取り返すような急な登りになった。 谷筋に雪が積もっているため、岩場のようだが登り方がよくわからない。 よじ登るようにして尾根筋に着いた。雪が降ってきて寒い。 足の指が冷えて凍えそうだ。


決断

コースを外れないように慎重に進む。登るに従って雪は深くなってきた。 さっきからお腹が空いているのだが、回りは雪ばかりで休む場所もない。 立ち止まるとすぐ足の指が痺れて来る。 何とか尾根筋の笹平までと思い登っていくと、とうとう雪は腰のあたりまでの深さになった。 全く身動きが取れない。11:12 1830m 地点で引き返すことにした。 急斜面を滑べるように下る。転んでも周りは雪なので痛くはない。でも冷たい。 途中で 8人くらいとすれ違った。みな山頂を目指すようだ。 団体が通ったあとはずいぶん歩きやすくなっていた。


EOS IX E,50/2.8,F8AE[+1/2EV](1/60),RX

足跡を辿りながら下る。11:40 沢に着いた。沢の近くで雪の中、震えながらパンをかじった。 途中、すれ違う人もない山はとても静かだ。ゆっくり歩いたつもりだったが、思ったより早いペースで下れた。 頑張れば山頂まで行けたかもしれない。


EOS IX E,50/2.8,F8AE(1/45),RX

13:05 休憩舎に到着。お湯を沸かしてカップラーメンを食べる。 キャンプ場があるためか、水が出るのが有難い。窓の外の雪を眺めながら、食べた。

地元のおじさんが入ってきて、少し話をしたのだが、去年の連休は殆んど雪がなく、山頂に40人くらいいたそうだ。今年はもうシーズンは終りなのだろう。

13:40 休憩舎を出発。露天風呂に着く頃には雪も小降りになっていた。 車がいっぱい止まっていたが、風呂には1人入っているだけだった。 ぬるかったが、冷えたからだには十分であった。 15:10 のバスで南小谷に戻り、16:05 のJRで宿泊先の木崎湖へ向かった。