鉄造灯台の最初のものは、長崎港外伊王島灯台である。これは明治4年7月初点の鉄造六角形である。
当時わが国において使用された鉄材は、ほとんどヨーロッパからの輸入品であり、非常に高価なものであった。
従って、鉄造灯台が最も多く採用されたのは、国内の鉄工業が興隆し始めた明治18年ごろ、北海道宗谷岬灯台からだった。
その後大灯台が相次いで建設されたが、所在地が海岸地方のため、発錆がひどく、保守に費用と労力がかかった。
しかし、最近高張力鋼の進出により、耐食性が著しく向上したため、これを用いた主要防波堤灯台、海上の大型灯台(灯標)が相次いで建設されている。