与那国島


Autoboy D5,PAE,RDPII,960730
位置
北緯24°27' 東経122°58'
所在地
沖縄県八重山郡与那国町
人口
1797
面積
28.84 km2
周囲
27.5 km
交通
JTA 石垣島<->与那国島 (1日2往復)
フェリーよなくに 石垣島<->与那国島 (週2往復) 石垣発(水・土)10:00 与那国発(月・木)10:00
観光窓口
与那国町観光協会
ガイド
那覇の南西520km。日本最西端で台湾が見えることもある。
見どころ
立神岩、軍艦岩、天者鼻、久部良バリ
産業
酪農。祖内と比川が農業。久部良が漁業。60度の泡盛「花酒」
その他
「どなんちま」。小型馬「与那国馬」の産地(国の天然記念物)でもある
宿泊
民宿おもろ
備考
島内をバスが走っていますがバス停はわかりにくいです。レンタサイクルが祖内に1軒あります。
link
西埼灯台
東埼灯台
与那国島観光ガイド

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石垣空港から与那国行きの飛行機に乗った。満席の割には乗機率は 55% くらい。空席待ちは3人だった。

30分ほどで与那国空港に着く。さすがに何もない空港だ。水曜に泊まるはず だった民宿に電話すると不幸があったとかで泊まれなくなってしまった。

バス停を探してみるが空港の前には見つからない。そんなこんなしていると目 の前を怪しいマイクロバスが通った。与那国なんとか交通と書いてあるがレン タカーなんとかとか書いてある看板の横から突然に出てきた。運転手さんが 「乗るか?」と手振りで聞いてきたが思わずかぶりを振ってしまった。結局、 町まで歩くことになった。道路わきではバッタが異常繁殖している。

途中、バス停はなかった。あれが路線バスだということは後から知った。 坂道を登って下りて、30分ほど歩いて町に着いた。レンタサイクルがまず見 つかった。これで足は確保できそうだ。何とか観光案内所を見つけて民宿を紹 介してもらった。「おもろ」という近くの民宿だ。レンタサイクルのすぐ近く だった。


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とりあえず荷物を預けて自転車を借りて最西端へと向かった。空港を通り過ぎ て集落を抜けて海沿いに西埼(いりさき)へ。観光客らしき2〜3人が帰った 後は誰も来る人はいなかった。曇ってて台湾は見えなかった。

民宿へ帰って夕食をいただく。イカの刺身がおいしかった。食後にそそくさと 夕陽を見にでかける。西埼まで行ってては間に合いそうもないので途中のダン ヌ浜で夕やけの写真を撮った。日本で一番遅い太陽は雲陰に沈んでいた。

8時近くなり暗くなってから民宿に戻った。日が沈んでからはあっという間に 真暗だ。宿には他に宮国さんという工務店のおじさんと高橋さんという常連客 が泊まっていた。蝶の採集で殆ど毎月与那国に来ているそうだ。去年は年間3 0泊ほどしたらしい。

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与那国2日目。5時に起きる。まだ外は真暗闇だ。自転車で島の東の東埼(あ がりさき)へ向かう。途中から風が強くなり、展望台へ着くころには強風に雨 が混じり出した。突然の暴風雨である。

展望台の屋根は殆ど役に立たず、柱の陰にぴったりくっついてないとびしょ濡 れになってしまう。雨が弱くなるのを見計らって何枚か写真を撮る。風は相変 わらず強い。

これからどうなることかと途方に暮れて1時間ほど、ようやく雨が小降りになっ てきた。やっとのことで宿に戻るともう朝食の時間だ。

強風のためいよいよ飛行機が欠航となった。朝食後に自転車で島を1周してみ た。雲の流れが早く曇ったり晴れたりする。空港経由で久部良バリ、立神岩を 回る。どこへ行っても向かい風で自転車を漕ぐのは骨が折れる。曇っているせ いか海の色がイマイチだ。誰もいない立神岩の展望台の下でしばし休む。風が 強いので柱にもたれていた。3時間ちょっとで島を1周できた。


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おなかが空いたので宿に戻る。持っていたカップ沖縄そばを食べる。1時間ほ ど昼寝してから宿の近くの天者鼻(ティンダハナタ)へ行く。祖納の集落の近 くで坂道がきついけど歩いても行けそうだ。

宿に戻ると池間くんという高校2年生が来ていた。昨日まで比川の民宿に泊まっ てたようだ。沖縄へは1人で泳ぎに来たらしい。8月20日くらいまでいるそ うだ。

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与那国3日目。夜半から暴風雨で外に出れそうにない。民宿のまなみさんが牛 舎の様子を見に行くということで一緒に連れていってもらうことになった。外 は暴風雨だったがまだ走ってる車はいた。商店は当然閉まっている。まなみさ んが牛の世話をしている間に嵐の中で写真を何枚か撮った。こんな時は水中カ メラが便利だったりする。

宿に戻ってすることも無いのでTVの台風情報を見たり本を読んだり寝てたり した。夕方台風が最接近して風が強くなった。何度か停電するがすぐに復帰し た。TVはとうとう写らなくなってしまった。中継所がやられたのかもしれな い。5時くらいだったろうか、急に風が止まった。しばらくして広報車が台風 の目に入ったので吹き返しに注意するよう告げていった。こわごわ外に出てみ たが期待した青空は見えなかった。

嵐は去ったかに思えたが1時間ちょっとして急に風が強くなった。時速 15km くらいだったから小さな島はすっぽり目に入ってしまっていたのだろう。夜は ひどい雨漏りで寝る場所に苦労した。

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与那国4日目。まだ台風は去っていない。宿のカード電話は台風の水が入った のか1と7のボタンを押しても反応しなくなってしまった。宿の電話を借りて 航空機の予約の変更をする。やはり午前の便は欠航だった。2日の便は一杯で 3日の1便になってしまった。

高橋さんによるとこんな時は事前にプッシュホン予約で各便を押えておくのだ そうだ。さすがプロは違う。勉強になるなあ。

宿の庭に植えてあったバナナの木はすっかり倒れていた。午後になって雨も上 がったようなので空港まで歩いて行ってみた。途中のさとうきび畑はみな折れ ているようで台風のすごさを物語っている。

1便も2便も欠航だった。空席待ちは明日の9時から発行するという。 宿に戻ってからカメラを背負って天者鼻の上に登った。祖納の町から見上げる それはまさに巨大な岩だった。先日はその岩の下までしか行ってなかった。


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運輸省大阪航空局の通信施設(航路標識?ここは国境の島なのだ)の横から岩 の上に登ってみると信じられないことにそこは牧場だった。一面の草原の上で は何頭かの黒牛がのんびり草を食べている。海に向かって吹く風に草がそよい でいる。気を付けながらけっこう無茶だなあと思いながら、崖の端まで行って みた。牛の骨が転がっていた。何だかちょっと胸が詰まった。

恐る恐る下を覗いたら間違いなくここは巨大な岩の上だった。(ラピュタはリュー ノスの中にあるのかもしれない)。何とかして空から眺めてみたいと思った。 ずっと断水していたのが夜になって復旧した。何とかシャワーが使えてほっと した。

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与那国5日目。5時に起きたら真暗だった。天気は悪くないようだ。しばしう とうとして目を覚ますとだいぶ明るくなっていた。慌ててカメラを背負って外 に出る。朝焼けが空を染めていた。

天者鼻の下に着くと茜色が薄くなっていた。水平線の辺りは雲が厚いようだ。 しばらく粘ってみたがやはり朝日は見えなかった。下はそれほどでもないが雲 の流れがだいぶ早い。

宿に戻って朝食の後、歩いて空港まで行った。8時半くらいに着いた。門は開 いていたが入口は閉まっていた。前に車が1台止まっていたが人影はなかった。 ちょっとしておやじが1人登場。何時に開くか空港の警備員に聞いていたよう だ。

結局我々2人以外に並ぶ人もなく、9時ちょっと前に入口が開いた。おやじに 先を譲ってもらった欠航空席待ちの番号は27番(おやじは2枚もがめていた)。 何とかなりそうな予感。今日、石垣に渡ることができれば何とか波照間に日帰 りで行ってこれそうだ。

宿への帰り道、にわか雨がぱらぱらと降ってきた。夕立ちのような通り雨だ。 飛行機が飛ぶかどうかはまだわからない。 宿に戻ると、池間くんがもう出発の支度をしていた。島を1周するバスに乗っ て空港へ行くそうだ。最西端の証明書をもらいに役場に向かう途中、バス停に 池間くんがいた。バスは10分遅れて来た。

どうやら石垣から飛行機が無事に飛び立ったらしい。わたしは高橋さんと一緒 にちえこさんに車で空港まで送ってもらった。またちょうど雨が降り出したと ころだ。

高橋さんと池間くんは1便の予約があるので余裕だ。わたしは空席待ちなので 1便に乗れるかどうかわからない。小学生の団体みたいのが続々と押し寄せて くる。空港は混雑してきた。

離陸の20分前、空席待ちの番号が呼ばれた。10番、20番と続く。高橋さ んが心配して様子を見に行ってくれて、あと16席、あと10席などと報告し てくれる。結局1便は25番で満席となった。

屋上から1便の飛行機を見送った。 2便のチェックインが始まるまでまだ4時間ほどある。こうなることを予想し ていたので既に水着を履いていた。誰もいなくなった空港に荷物を置いてダン ヌ浜まで歩く。すっかりいい天気になっていて日差しが強い。炎天下を30分 ほど歩いてダンヌ浜に着いた。すぐとなりが牧場になっていて風に乗って牛の 匂いがする。


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ビーチには誰もいなかった。早速海に入る。遠浅の珊瑚礁が続いていて泳ぎに くそうだ。波打ち際でたわむれた後、ビーチに寝転んだ。真上からの日差しが 眩しい。

ゆっくりと時間は過ぎた。だいぶ潮が引いて来た。リーフですっかり遮られて いるようで波は立っていない。海辺では青やグレーの魚が泳いでいた。水中カ メラで写真を撮った。

いつしかビーチに掃除のおばちゃんが来ていた。台風でトイレに打ち上げられ た砂を掃除しているのが遠目に映った。3時近くなったのでそろそろ戻る準備 をする。「たいへんですね」「暑いからねエ」「シャワー使えますか?」「う ん、使えるよ」ということでコインシャワーで砂を流す。まだできて間もない ような設備は快適だ。

炎天下、空港への道を歩いていると車が横に停まっておじさんに空港まで乗せ てもらった。

早めに空港に着いたので遅い昼食にする。そばを食べたかったのだが品切れと いうことで、カツカレーを食べた。2便の飛行機には空席待ちが全員乗れた。手 荷物検査はX線ではなく金属探知器のようなものを使って行なう簡単なものだっ た。バッグを開けて中身を見せるとOKだった。YS機に乗ってみるともう平 常通り空いていた。

上空は雲がかかっていて天者鼻は見えなかった。雲間に島陰を眺めながら定刻 に石垣空港に着いた。